フランチャイズビジネスに興味を持つ人がまず気になるのが、「実際のところ、どれくらい儲かるのか?」という点です。
特に「フランチャイズ 利益率」は、事業の健全性や継続性を判断する上で極めて重要な指標です。
しかしながら、利益率は業種や運営規模、立地条件によって大きく変動するため、一概には語れません。
この記事では、フランチャイズの平均的な利益率の目安、業種別の特徴、そして本部が提示する数値の見極め方について詳しく解説します。
フランチャイズの利益率とは?
利益率とは、売上高に対して最終的にどれだけの利益が残るかを示す割合で、「営業利益率」や「純利益率」などに分類されます。
フランチャイズの場合、以下のような構成で利益率が決まってきます。
- 売上高(例:月商300万円)
- 売上原価(例:食材・商品仕入れ=30〜40%)
- 人件費(例:スタッフ給与=20〜30%)
- 家賃・水道光熱費(例:固定費=10〜15%)
- ロイヤリティ(例:売上の5〜10%)
- その他雑費(広告費・設備維持費など)
このような費用をすべて差し引いて、最終的に残るのが「手元に残る利益」、つまり純利益です。
この純利益が売上高に対して10%を超えると、比較的高収益なフランチャイズといえます。
業種別フランチャイズの利益率の目安
飲食業(ファストフード・カフェなど)
- 平均利益率:5〜12%
- 食材原価や人件費が高く、利益率はやや低め。
- 立地と回転率が重要で、繁盛店では利益率15%を超えることも。
- ただし初期投資が大きく、回収に時間がかかる傾向あり。
コンビニエンスストア
- 平均利益率:2〜5%
- 客数は多いが、粗利が非常に薄く、24時間営業による人件費が重くのしかかる。
- ロイヤリティの比率が高い本部もあり、売上に対して手元に残る額が非常に少ない。
教育・学習塾
- 平均利益率:15〜25%
- 教材費や人件費はかかるが、利益率は比較的高い。
- 講師を自分で務めることで、さらに収益性が高まるケースも。
- 生徒数に波があるため、継続的な営業努力が必要。
美容・リラクゼーション系
- 平均利益率:10〜20%
- 回転率は低めだが、顧客単価が高く、リピーターも多い。
- スタッフを雇わずにオーナー自ら施術する場合、利益率はさらに向上。
- 人件費とテナント費用のバランスが鍵。
宅配・訪問サービス
- 平均利益率:20〜30%
- 無店舗型・省スペース型のため固定費が安く、高利益率。
- 配達やサービス提供を自分でこなせば、ほぼ人件費ゼロで運営可能。
- ただし時間的拘束が大きく、オーナーの稼働力に依存する面も。
フランチャイズ利益率を正しく見抜くポイント
本部提示の「売上シミュレーション」に注意
フランチャイズ本部が提示する「モデル収支」は、あくまで理想条件下の一例です。
特に「月商300万円、利益率20%」などと書かれている場合でも、実際にはその数字に届かないことも多くあります。
人件費やロイヤリティが控除後にどうなるかを必ず確認しましょう。
損益分岐点の把握が最重要
利益率を考える上で欠かせないのが「損益分岐点売上」です。
つまり、赤字にならずに運営を続けるために必要な最低売上高のことです。
これが月200万円で、実際の売上が平均180万円であれば、当然赤字です。
開業前に必ずこの分岐点を試算しておくべきです。
固定費と変動費のバランスを検証する
家賃・光熱費・人件費などの固定費が重くなると、売上がブレたときに大きな影響を受けます。
反対に、変動費中心のモデル(仕入れ・ロイヤリティなど)であれば、リスクを抑えやすく、利益率を安定させやすい構造になります。
利益率だけに惑わされず、全体構造を理解することが重要
「フランチャイズ 利益率」は確かに魅力的な判断材料ですが、それだけでフランチャイズビジネスの良し悪しは決められません。
利益率が高くても、運営に膨大な時間を要したり、契約条件が厳しかったりすれば、長続きしない可能性もあります。
最も重要なのは、自分の時間・資金・スキルと照らし合わせて、現実的に「続けられるかどうか」を見極めることです。
そして、実際に開業している加盟者の声を参考にしながら、具体的な収益構造を確認することが、成功への近道です。
正しく「利益率」を読み解く力が、堅実なフランチャイズ経営の第一歩です。