ピザのフランチャイズは、高い利益率・需要の安定性・ブランド依存性のバランスが取れた“堅実型”ビジネスモデルです。
特に宅配・テイクアウトの市場が強い日本では、立地の影響を受けにくく、飲食店の中でも比較的安定した経営が可能とされています。
ただし、初期費用は高めで、ブランド選びと現場オペレーションの徹底が収益に直結するため、事前のリサーチと実行力が成功の鍵になります。
目次
ピザ業界フランチャイズの基本構造
ピザフランチャイズは、主に以下のような構成です。
- 本部がレシピ・ブランド・マーケティングを提供
- オーナーは店舗を用意し、仕入れや人材を管理
- ロイヤリティを月額または売上歩合で支払い
- 主な収益源は、ピザ本体・サイドメニュー・ドリンク
デリバリーとテイクアウトに特化したモデルが多いため、イートインスペースがなく、店舗面積を小さく抑えられるというメリットがあります。
ピザフランチャイズの代表的なブランド例(日本国内)
- ドミノ・ピザ
最も出店数が多く、宅配ピザの代名詞。Web集客とアプリが強力。 - ピザーラ
日本生まれの宅配ピザチェーン。広告戦略・品質に定評あり。 - ナポリの窯/ストロベリーコーンズ
イタリアン路線のピザチェーン。デリバリーに加え中食市場も狙える。 - ピザポケット、アオキーズピザ、ピザ・リトルパーティー
地方中心に根付いたチェーンで、地域密着型の経営が可能。
ピザフランチャイズの初期費用と利益構造
初期費用の目安
項目 | 費用感 |
---|---|
加盟金 | 約150~300万円 |
研修費・保証金 | 約50~100万円 |
内外装工事 | 約500~1000万円(厨房含む) |
設備・備品 | 約300~500万円 |
総額 | 約1000万円~1800万円前後(物件取得費除く) |
※テイクアウト特化型・スモール店舗型であれば、総額を700~1000万円程度まで抑えることも可能です。
利益率の目安
- 売上に対する原価率:25~30%前後
- 人件費率:25~30%
- 家賃・ロイヤリティ・その他経費を差し引いて、営業利益10~15%が目安
フードビジネスとしては比較的高めの利益率が見込める業態です。
ピザ業態がフランチャイズ向きな理由
1. 生産性の高いメニュー構成
- トッピングはほぼ共通食材を使い回せるため、在庫ロスが少ない
- 生地やソースは本部から支給されることが多く、仕込みが簡易化されている
2. 高単価で利益率が高い
- 単品価格が1500~3000円と高く、注文単価が上がりやすい
- サイドメニューとのセット販売で客単価を伸ばせる
3. デリバリー文化との親和性が高い
- UBER EATS・出前館などのプラットフォーム対応が進んでおり、新規参入でも顧客を獲得しやすい
4. 省スペース・少人数での店舗運営が可能
- キッチンスタッフと配達スタッフがいれば運営可能
- 物件も「駅近・繁華街」より「住宅街」向けで、家賃が抑えられる
参入前に確認すべきリスクと注意点
- 天候・曜日・季節で売上の波が大きい
悪天候時には爆発的に売れる反面、晴天の週末は逆に注文が減る傾向も - 人材確保(特にデリバリー要員)に苦労する
バイク配達・免許要件があるため、人手不足に陥りやすい - 競合との差別化が困難
ドミノ・ピザなど大手との価格競争に巻き込まれやすい - 売上=配達スピード
店舗オペレーションが遅いとSNSで低評価を受けるリスクも
ピザフランチャイズはどんな人に向いているか?
- 飲食未経験でもしっかりとマニュアル通り動けるタイプ
- 地道な作業と接客をいとわない方
- 家族経営やパートナーとの共同経営を考えている方
- 地元密着で長期的に経営していきたいと考える方
ピザのフランチャイズは、堅実なミドルリスク・ミドルリターン型
ピザフランチャイズは、飲食業の中でも比較的高い利益率と安定した需要が見込める堅実な選択肢です。
特に脱サラ後の独立や地方での開業を検討している方にとっては、「ブランド力」「サポート体制」「経営の再現性」の3つを兼ね備えたビジネスモデルといえます。
一方で、資金面や人材確保の課題、競争環境への理解と準備も不可欠です。
複数のブランドを比較し、可能であれば既存オーナーに話を聞いた上で、慎重に判断していくことが成功への近道になります。